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2012年3月30日金曜日

出会った人達①

私は脳内出血の後遺症で左半身が麻痺し、リハビリ病棟に転棟したのですがこの病棟にはさまざまな診療科目の人がリハビリのために入院してました。
数週間して次第にわかったのですがベッド数60床が限界の病棟でした。


それぞれの病室入り口に本人の名前と診療科目名が一覧になってて一目で判るようになってる。

消化器科、循環器科、泌尿器科、呼吸器科、整形外科、脳神経外科などが目立ってました。

転棟初日のことです…
病室は4人部屋で、左右にベッドを配置した室内の左手前のベッドをあてがわれました。
「○○です。よろしくお願いします!」室内には3人揃ってたので挨拶を簡単に済ませたのですが、返ってくる言葉がちょっと重い感じの人達でした。

どうやらお互いが会話らしい会話を交わしてない雰囲気でした。

窓際左のベッドは60代半ばくらいの人で声が擦れていてはっきりと聞き取れない。

窓際右の人は40代後半くらいの人できちんと返事を返してきました。

手前右の人は一見して大柄な80位のじいちゃんです。目が生き生きしてる。

表札を見ると窓際左の人は呼吸器科
右の40代後半の人と手前の大柄なじいちゃんは脳神経外科

その大柄なじいちゃんは私が来て4日目で退院しました。

大柄なじいちゃんの話によると…
婆ちゃんが留守のとき一人で風呂に入り脳梗塞を発症したのですが、幸いにも僅かに後遺症が残るだけで済んだそうです。
あのとき婆ちゃんが帰ってこなかったら「あたしは仏さんになってましたよ」と話してくれました。

転棟して4週間ほど窓側左の人がベッドから出たのを見たことが無かったですが、車椅子でベッドを離れるようになり、リハビリのため立ち歩く姿を度々見るようになって、交わす会話も増えてきて、「肺気胸」で入院したこと、「3ヶ月間起き上がれず」やせ細ってしまったこと、「若い頃悪いことはいっぱいやったけど、あと5年は生きていたい」とかかなり聞き取りにくい擦れた声で話してくれました。
この、ひょろっとした学者さん風の人(野○○さん)、擦れ声でしたが、文学的な表現を交えながら興味の尽きない一昔前の地元話をしてくれて印象的でした。

私が来て2ヶ月目近くになって退院してしまいました。

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