最近、この靴のことを考えるきっかけになったのは靴の踵の高さが立位の姿勢安定に大きな影響を与えてると気付いたからです。
私の患側足は荷重すると僅かに低屈する徑縮反応を示し、立位の姿勢で患側脚を床から引き離すようにそっと上げると10ミリくらい踵が上がっても爪先は床に接触したままです。
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健康な足の踵と爪先は同時期に離床するんじゃないかと思ってます。
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装具の踵部分の高さは12ミリでつま先に向かってその高さは低くなり傾斜角度が付いてる。
拇指球付近の底の高さが9ミリなのでその差は3ミリ、つまり踵は実質3ミリの高さがある。
踵の高さ実質3ミリの角度を計算するとだいたい0.7°
1)直立する私は「その」踵高3ミリミリを全く意識しないで姿勢を維持し続けるし、感覚的な違和感は全く感じません。
2)足首が低屈する方向に力が強く働いたままなので立位を保ち直立すると爪先付近、拇指球あたりで床を押さえつけるような力が働いてるようです。
では、装具にリハビリシューズを履くとどうなる?
リハビリシューズの患側踵高は足踵の接触面まで20ミリあり装具の踵高3ミリを足して床面から23ミリとなる。
拇指球付近の靴底の厚みをその23ミリから差し引いて13ミリ。
その13ミリで拇指球付近から踵までの距離で角度を計算するとだいたい3.3°になった。
それがどうした?の話なんですが・・・
最近そのリハビリシューズを履くと真直ぐ立ち静止するのにかなり違和感を感じてます。
たぶん足首の拮抗筋のせいだと思うのですが、前後のユラユラ感が顕著です。
退院したばかりのころはたってるだけで精一杯な状況だったので微妙な重心の揺らぎには気付かなかったのかもしれないけどちょっと不思議な現象なので戸惑ってます。
特に運転席から降り立った時にその妙な現象を頻繁に感じます。
家の中で長い時間、椅子に座り続け立ち上がってもそんな現象は発生しない。
違うのはリハビリシューズの足踵から床面までの高さが違う。
装具を使い始めてリハビリ専用靴も一緒に使うと患側脚の振出が不思議なくらいに簡単だったのを覚えてますが、あれは適度な角度を付けた結果だったと理解してます。
今は股関節の引き上げと股関節を屈曲し前に脚を振り出す動作が初期の頃とは微妙に異なってるような気がする。
2)に書いたように足首で床を押さえつける力のバランス(拮抗筋)がうまく働いてない気もします。
直立した同じ姿勢で角度3.3°と0.7°の違いは爪先付近、拇指球ににかかる荷重の程度と垂線の重心の位置、それに足首の低屈の程度、さらに言えば骨盤の傾きにも影響してるはず。
踵の高い靴は直立静止してると足首の伸び方(底屈の程度)に違いがでるはず。
麻痺した私の足首は立位で床からそっと引き上げるとヒフク筋の徑縮で10ミリは踵が持ち上がってる。
剄縮」した足首に踵高のある靴を履くのは
足首が伸びてしまう傾向を助長する結果になってる気もする。
極端に踵の高い履物を履くと解ると思うけど、重心は高くなり前のほうに移動し、足首は伸びてしまう。
人の身体は前に移動した重心を引き戻そうとするので足首はさらに伸びる。
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そして、立位での足首の動きは未だに正常ではないので・・・
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前方に移動した重心を後に引き戻すためにさらに低屈する力が働き結局は後方に重心が移動する。
すると今度は後方に移動した重心を前に移動させようと非力な前脛骨筋が僅かに収縮する。
ヒフク筋と前脛骨筋の拮抗動作が出来てない麻痺脚なので前に移動しすぎた重心を後に引き戻そうと足裏全体で接地したままの状態で低屈と背屈を繰り返すようになる。
これがリハビリシューズを履いて直立したときのユラユラ感の秘密かな!!!
たぶん、乗車の疲れも絶対にあるとは思ってますが↑↑↑↑は実態に近づいた内容じゃないかな?
ベタ靴に近い踵高10ミリでは出現しにくいけど30ミリだと体感するのはおそらく車内座位での膝の高さと足首の伸び方にも秘密があるような気がするし長時間乗車の疲れも有るハズ。
専門家は病態に対応する裏付を得るために様々な検証をしてますが、こんな役に立たない無駄な事も検証して欲しい。
片麻痺者の踵高と姿勢安定の関連を解明したPDF論文or報告書欲しいです。
長下肢装具の固定バンドを微妙に緩めて使ってたので、もしかしたらユラユラの秘密がわかると思ってたけど大きく外れてました。
↓↓↓↓
北海道大学発表の学術論文です。
[静止立位重心動揺に対する足・膝関節固定の影響]
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/37617/1/9_39-46.pdf
唯一つ、『体性感覚が増加したために動揺をコントロールできた,and揺れを少なく出来た』との趣旨の内容がが記述されてましたが、逆に私は体性感覚が増加しつつあるために揺れを察知できるようになったと解釈しました。
以下は適当に読み飛ばし、抜粋した内容です。
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臨床的には,失調症やシャルコ・マリー・ツース病など立位バランス障害を呈する症例に対して行われている足関節の安定性を高めるための運動療法や装具療法の有用性を支持するものである。
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ある姿勢を一定の状態で保持しているとき,見かけ上停止しているように見えるが,身体は常時小刻みに動揺している
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立位重心動揺は,その動揺パターンにより求心型,び慢心,前後型,左右型,多中心型の5つに区分されるが,正常者では求心型,び慢型,前後型を示し,左右型は少ないとされている
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失調症や脳卒中,脳性麻痺などの疾患による協調障害や四肢の機能不全は,重心動揺を増加させ立位バランス機能に支障をきたす
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2)関節固定条件による比較
立位重心動揺は,関節を固定することにより減少することが明らかとなった,立位重心動揺は下肢関節,特に足関節を固定することにより減少すると言える。
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②頭部・体幹の動揺計測
右耳孔のX方向(左右)及びY方向(前後)の最大動揺幅右肩峰のX方向(左右)及びY方向(前後)
閉眼でのY方向動揺範囲には関節非固定と足関節固定及び足・膝関節固定問に有意差が認められ,関節を固定することによりY方向の動揺範囲は減少した
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1)視覚の影響について
立位バランスを維持する上での視覚情報の重要性はよく知られていることである。本研究においても,重心動揺については関節固定を行わなかった場合はSDYを除き開眼時の方が有意に動揺性は減少した。しかし関節を固定した場合は,LNGとLNG/T, SDYを除き有意差が認められず,関節固定をしなかった場合に比
べ視覚情報の効果は少ないことが示唆された。
これは,第1に関節が固定されることによる関節の構造的に動揺性が減少することが考えられるが,さらに関節周囲や足底を硬質なもので包み固定することによる触覚や圧覚など体性感覚からの情報が増加したこととそれに対する感受性や注意,集中が増加した身体の動揺は,身体の構造上関節の可動【生に関連していることが考えられる。特に静止立位に於いては足関節の動揺がより直接的に重心動揺に反映するものと考えられる。また,足関節及び膝関節の構造は、前後方向(Y方向)・屈曲伸展方向への可動性が高く左右方向(X方向)・外転内転方向への可動性は低い。これらのことから,足関節及び膝関節を固定することにより,左右方向(X方向)の動揺性が前後方向・(Y方向)に比べより制限されたもと考えられる。足関節と膝関節固定については,静止立位の動揺により直接
的に影響を与える足関節の可動性を制限させることで,より効果的に重心動揺を減少させることができると考えられる。
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特に足関節を固定することによる効果が大きかった。これは,立位バランスの調整に構造的及び機能的に主要な役割を果たしてる足関節の可動性を制限することで,安定性を増加させたことが示唆された。
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