装具に組み込まれたGS(ゲイトソリューション/油圧ダンパー)の底屈制動の調整加減によって足関節を背屈する前脛骨筋が働くようになるらしい・・・
ゲイトソリューションを開発した装具屋さんが公開したPDFにこんなこと書いてありました。
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麻痺者の裸足歩行のように背屈筋による底屈制動モーメントが不足する場合には足関節が急激に底屈するためにつま先接地時に膝関節が後方に残って床反カベクトルが膝関節の前方を通るようになる(図5b)。
これによって膝関節の過伸展が起 こり立脚期中つねに膝関節を伸展したままで歩行することになる。
これはAFOの底屈制動モーメントが不足する場合も同様である。
制動モーメントが大きすぎる場合や底屈ストッパー付きAFOでは、踵接地後に足関節が底屈しないために下腿の前傾が起こって膝が前方に押し出される。その結果、つま先接地 時に床反カベクトルが膝関節の後方を通るようになる。
このため、膝関節の不安定が生じ立脚期中つねに膝関節伸展筋を活動させて歩行することになる
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>制動モーメントが不足する場合
>足関節が急激に底屈するためにつま先接地時に膝関節が後方に残って床反カベクトルが膝関節の前方を通るようになる
>これによって膝関節の過伸展が起 こり立脚期中つねに膝関節を伸展したままで歩行することになる。
>制動モーメントが大きすぎる場合
>底屈しないために下腿の前傾が起こって膝が前方に押し出され。つねに膝関節伸展筋を活動させて歩行することになる
装具屋さんのPDFで言及してるのは底屈制動の強弱と膝関節との関係だけで、前脛骨筋については触れてない。
GSの底屈制動力が小さすぎる設定だと踵接地から急激に底屈してしまう・・・というのは、私自身も確認しましたが膝過伸展する勢いを強く感じます。
制動力が最大だと踵を床に突いたとたんに後ろから膝裏を押されるような感触が伝わってくる。
で、どの程度の設定で?ってことになるとアヤフヤですが、2と3の間で3に近いほうの設定にしました。
踵接地直後に急激な底屈が無く、膝裏を押される感覚が強く感じられない設定です。
急激な底屈かどうかを見極めるのは健側の足首の動きと見比べながら決めた。
かなりいい加減なのは承知ですが、底屈制動の強度を決める要素らしきものを得たので目安にはなる。
底屈制動の強弱が要因だとは考えにくいですが
踵接地直後の踵を軸にした僅かな内外旋は気になる現象です。
体の向く方向(進行方向)と踏み下ろした足(つま先)の向きが同じ方向なら無理ないけど
微調整の効かない(周囲の筋肉郡が巧く働かない)身体ではつま先の向きが少し変わってしまっただけで安定を失ってしまう。
つま先が内旋するのは危険な気がします。
つま先が内向きのまま重心を移動すると
しかるべき足裏に体重が乗らないまま立脚してしまう。
拇指球付近ではなく
小指の付近だけに体重が乗っかる気がします。
私は転倒の経験がないですが、たぶん
踵接地直後の内旋で足首を捻ってしまうと思う。
それにしてもGSの底屈制動の設定は厄介だと思う。
制動力が弱すぎると過伸展が強く出るし、強すぎると前脛骨筋が全く働かない。
踵接地した直後に下腿の移動に合わせるように足裏がジワリと接地するような感覚の設定が最も良いような気がする。
暫く前まで適当な設定(設定を2付近)で過ごしてたけど今は3近くの設定です。
思い返せばPTが初めて設定した値が3の付近でした。
理由が解ったような気がしてそれなりに納得してます。